《はじめに》
FXトレードには、水平線や節目ブレイクにより売買したり、または移動平均線や一目均衡表などを組み合わせてトレードしたりと、様々なトレードスタイルがあるかと思います。
そこで今回は、そのなかでも、毎日・毎月発表される経済指標をもとにトレードを行う「指標トレード」について解説します。
《値動きの激しい欧米時間に集中トレード》
そもそも、投資家が売買するタイミングは、水平線ブレイクにしても、一目均衡表の雲を上抜けにしても、ある程度ボラティリティ(値動き)が高まったときです。それは売買すると、必ずスプレッド分のマイナスからスタートするため、ある程度の値動きがないとコストを回収してさらに期待する利益を上乗せすることができないからだといえるでしょう。
そして、そのボラティリティは欧米時間に高まることが多い傾向です。それは代表的な通貨がドルとユーロで、アジアに比べ欧米の資金量は膨大なため、為替相場に与える影響がとても大きいと考えられます。また為替相場が急変するニュースや経済指標も、欧米時間に出てきます。
一方で東京時間は、仲値の時間帯や日銀金融政策決定会合などを除き、その日に欧米の経済指標や重要会議などが控えていると、様子見ムードからとても狭いレンジでの値動きとなることがあります。夏枯れや年末では数銭の値動きとなることもあります。それでも東京時間ずっとボラティリティが高まるを待っているのでは、時間効率、資金効率が良いとはいえません。
その点、指標に関しては基本的に発表時間が決まっているため、その時間に合わせてトレードを行えば、時間効率が飛躍的に高まるといえるでしょう。そして、発表される指標、そして発表される時間が決まっていれば、それに合わせて、その後の値動きやエントリータイミングなどを事前にイメージしておくこともできます。
そのため、ボラティリティが高まる欧米時間に、精神と資金を集中して、ぜひ指標トレードにチャレンジしてみてください。
そして指標のなかでもボラティリティが高まりやすい注目指標が、米FOMCやECB理事会、英BOE会合、米雇用統計、各国GDP成長率などが挙げられます。特に、各国中央銀行の会合は1円近く値が動くこともあり、スキャルピングやデイトレードの大きなチャンスといえます。注目経済指標に関しては、FX業者がそれぞれ経済指標カレンダーを掲載していますので、そちらを参照しましょう。
《指標トレードで決め打ちは禁物!!》
また、米雇用統計やECB理事会などを受けたドル円、ユーロドルは値動きにも特徴があります。例えばユーロドルはECB理事会後、一度大きく上に跳ねて、その後行われるドラギ総裁の会見を受けて大きく値下がりするといった値動きを最近は繰り返しています。もしくは、ポンドはトレンドを形成しやすい通貨で、一度大きく上下どちらかに動くと、そのまま一方向へ大きく振れることがよくあります。そのため、米雇用統計にしてもBOE会合にしても、ドル円、ポンドドルなどそれぞれの通貨ペアによって値動きの特徴をつかむと、指標トレードで利益をあげる確率は高まると思います。
ただし、経済指標の発表前にポジションを持つことはおすすめしません。これは「丁半張った」のギャンブルです。指標発表後でも、通常よりボラティリティが高く、トレードチャンスはたくさんあるので、決め打ちトレードは避けるようにしましょう。BOE会合のあとのように、相場の流れに乗ってトレードをした方が、トレードで稼げる可能性は高まるといえるでしょう。