はじめに
以前、テクニカル分析手法として移動平均線をご紹介しましたが、今回はそれと並び多くのトレーダーが活用しているテクニカル分析手法である「ボリンジャーバンド」と「一目均衡表」について説明したいと思います。
※【ボリンジャーバンド】
ボリンジャーバンドとは、統計学の視点から為替レートの変動幅を予測する際に利用される分析ツールです。なおボリンジャーとは、開発者である米国人投資家のジョン・ボリンジャーの名を冠したものとなっています。
そして、このボリンジャーバンドでは「σ(シグマ)」という記号を使用していきます。シグマとは統計学で使われる用語で、平均からのばらつき度合いを示すものになります。 たとえば、アッパーバンド2(+2シグマ)とロワーバンド2(-2シグマ)に為替レートの変動が収まる確率は約95%とされています。±1シグマの場合は約68%となります。
そこで、ボリンジャーバンドを逆張り指標として利用し、現在の為替レートが+2シグマにタッチしたら売り参入、-2シグマにタッチしたら買いエントリーといった投資判断を行うことができるでしょう。特に逆張り戦略が機能しやすい東京時間で、この投資戦略は有効となりやすい傾向にあります。
※【一目均衡表】
次に一目均衡表です。実はこの一目均衡表は、日本人の一目山人(細田吾一)氏が生み出したテクニカル分析ツールで、世界的にも知名度の高いものになります。
一目均衡表では「雲」、「基準線」、「転換線」などを活用していくことになりますが、ここでは代表的な活用方法をご紹介します。
まず、現在のローソク足と雲の位置関係によって、トレンドが上向きか下向きかを判断します。現在のローソク足が雲より上に位置していれば上昇トレンド、ローソク足が雲より下に位置していれば下落トレンドと判断することができます。
また、基準線と転換線の位置関係によっても、トレンドを判別することができます。基準線と転換線は、それぞれ長期と短期の移動平均線のような役割となっています。
そこで、転換線が基準線より上に位置していれば上昇トレンド、逆に転換線が基準線より下に位置していれば下落トレンドと判断することができます。また、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスのように、転換線が基準線を上に突き抜けた場合には買いシグナル、逆に転換線が基準線を下に突き抜けると売りシグナルと判別することもできます。